おねしょってなあに?
おねしょは寝ている間に、無意識におふとんのなかで排尿してしまうことです。これはおしっこをためている膀胱の大きさと夜、寝ている間に作られるおしっこの量のバランスが悪くて、無意識のうちに膀胱から、おしっこがあふれてしまうために起こります。
年齢とおねしょの関係
●赤ちゃん
赤ちゃんは、まだ膀胱の大きさが小さいのでですが、尿は昼夜の区別なく作られていて、夜も昼間と同じように何回も尿をします。
●2〜3歳
2〜3歳になると、赤ちゃんの頃と比べて膀胱にためられる量が少しずつふえてきます。そのため、夜も沢山ためられるようになるだけでなく、夜の間につくられる尿の量が減って来ます。その結果、おねしょをしてしまう、こどもが減り、2人1人の割合になります。
●4〜5歳
4〜5歳児になると、膀胱にためられる量も安定してくるようになり、夜間に作られる尿の量も減ってくるので、70〜80%のお子さんはおねしょをしなくなります。5歳でまだ毎日のように、おねしょをしてしまう場合は、からだの発達が遅れているとも考えられます。小学校入学時期になってもおねしょをするお子さんは10~15%程度のようです。(このおねしょの個人差は遺伝的な要因が強く、夜間の排尿間隔を長くさせる機能の発達の遅れによるものが大部分です)
「おねしょ」と「夜尿症」は、夜寝ている間に無意識に排尿してしまうということでは同じですが、その違いのポイントは年齢です。つまり、幼児期の夜尿をおねしょといい、6〜7歳(小学校入学後)以後の夜尿を夜尿症というのが一般的です。
●6〜7歳
6〜7歳になっても夜尿がつづく場合は、積極的な生活指導や、お薬による治療などの対策をとったほうがよい場合が多く、病気を意味する「症」という言葉をつけて「夜尿症」といいます。
ご家族の方が注意すること
ご家族は、夜尿があっても、「起こさない」「怒らない」「焦らない」を頭におき生活指導を行ってください。夜尿をしなかった朝は、たくさんほめてあげるとよいでしょう。ただし、自己流で行う生活指導は度が過ぎると思わぬことが起こる場合もあるので、あまり頑張り過ぎないことも大切です。
【規則正しい生活のリズムの確立を】
膀胱や尿道のはたらきは自律神経が調節しているので規則正しい生活をしていないと、上手くはたらきません。薬で治療する場合でも、 生活のリズムがしっかりしていないと効果もでにくくなります。規則正しい生活は、夜間の抗利尿ホルモンの分泌にも好影響を及ぼすと考えられていますので毎 日一定の時間に起きる、寝る、食事するようにしましょう。
【水分を取りすぎのお子さま】
夜間の尿量が多いタイプ(多尿型、混合型)には、生活指導です。
【水分を取りすぎのお子さま】
頻繁に夜尿があると、夜、水分の摂取を控えるご家族が多いと思います。水分摂取で大切なのは、水分を制限するだけでなく、日中にしっかりと摂り、夕方になると減らすというように意識して水分摂取のリズムを作ることが重要です。具体的には、朝起きてから午前中の間にたっぷりと水分を摂り、午後になったら多少控えめにし、夕方から制限するようにするのがおすすめです。特に、就寝前2〜3時間は飲水、飲食をしないようにし、やむをえないときでも200mL(可能であれば100mL)までにするとよいでしょう。
【牛乳の摂取について】
牛乳をたくさん飲むと、蛋白質やカルシウムが過剰となり、尿の量が増えて膀胱にためきれなくなります。普通に食事をとっていればカルシウム不足にもなりませんし、背の伸びにも影響しないので、牛乳は適度に飲むようにし。飲みすぎには注意しましょう。
【塩分は控えめに】
塩分の取りすぎは生活習慣病などの面で悪いだけでなく、塩分の取りすぎが原因で喉が乾き、水分をとりすぎることがあるので一日に摂取する塩分の量は控えめにしましょう。特にスナック菓子には多量の塩分がふくまれているのでおやつとして与える場合は少なめにしましょう。
【排尿抑制訓練(日中おしっこをがまんする訓練)】
昼夜関係なく、膀胱に尿をためられないタイプ(膀胱型)には生活指導が重要です。
膀胱にためられる尿の量を増やすには、排尿を我慢する訓練が必要です。帰宅後、トイレに行きたいと感じた時にすぐに行かせるのではなく、ぎりぎりまで我慢させる訓練です。
我慢する尿量の目安としては6〜8歳で150mL、9〜11歳で200mL、12〜15歳では300mL以上です。
しかし、我慢しすぎると膀胱にたまっている尿が膀胱や尿管から腎臓まで逆流して腎臓をいためてしまうことがあるので無理させすぎないようにしましょう。
【冷え対策】
冷え症状は夜尿を悪化させることがあります。夏の間は治っていても秋から冬にかけて夜尿が後戻りすることがあります。特に手足が冷たい、しもやけができやすい、というような冷えの症状が見られた場合には、寝る前にゆっくりとお風呂に入り、布団をあたためておき身体が冷えにくいようにしておくと改善します。入浴剤を利用するとより効果的です。